製造業・町工場の顧客管理で押さえること
取引先ごとの「くせ」が口頭伝承になる
材料の指定、めっきや表面処理の要否、梱包の仕方、検収の厳しさなど、取引先ごとの細かい決まりは契約書に書かれないことが多く、長年の付き合いで担当者の記憶に積み重なります。担当が変わるたびに同じ失敗を繰り返したり、新人が確認のために何度も電話をかけたりする手間が生まれます。
図面番号と顧客の対応が曖昧になる
同じ部品でも顧客側の図番と社内の管理番号が違うことはよくあり、改訂履歴やリビジョンが変わった際にどちらの顧客のどの図面が最新かが分かりにくくなります。見積りや再受注のたびに古いファイルを探し出して確認する作業が、担当者の経験に依存しています。
休眠顧客や単発の取引先が整理されない
単発の試作や紹介で一度だけ取引した会社の情報もExcelの別シートや名刺の束に残ったままになりやすく、数年後に同じ会社から再度声がかかっても過去のやり取りをすぐに思い出せません。見積りの単価や仕様の相談に時間がかかる原因になります。
不具合やクレームの経緯が引き継がれない
検査不合格や納期遅延、顧客からの指摘があった場合の経緯は、対応した担当者のメールや口頭説明に残るだけで、顧客台帳には反映されないことが多いです。同じ顧客との次のやり取りで過去の経緯を知らずに同じ対応を繰り返してしまうことがあります。
顧客管理のシステムに要る機能
- 取引先(顧客)の基本情報台帳(会社名・所在地・担当者・連絡先)
- 取引条件(単価・支払いサイト・検収基準)の記録
- 顧客ごとの図面番号・リビジョンの紐づけ
- 見積り・受注履歴の時系列での一覧
- クレーム・不具合対応の経緯記録
- メール・電話・FAXでのやり取りの履歴保存
- 休眠顧客・単発取引先の抽出
- 担当者変更時に必要な情報がひと目で分かる表示
どこを何で持つか
業界の専用ソフト・既存サービスに任せたほうがよい部分
生産管理ソフトや原価計算システム、CAD連携のある図面管理システムをすでに使っている場合、工程進捗や原価計算、図面そのものの版管理はそちらに任せたままにします。顧客管理のシステムは、それらと重複させず「取引先の情報」と「やり取りの履歴」に役割を絞るのが現実的です。
オープンソースや買い切りのシステムで持てる部分
取引先の基本情報、取引条件、見積り・受注の履歴、クレーム対応の経緯といった「顧客にまつわる記録」は、CRMで持つことができます。日報や見積りメールから内容を拾って顧客記録の下書きを作る仕組みを使えば、事務員が手で台帳に書き写す手間を減らせます。
紙・Excelのままでよい部分
取引先ごとの図面原本や検査成績書、現物でもらった仕様書のファイリングは、紙のまま保管して構いません。顧客台帳からは「どのファイルを見ればよいか」が分かれば十分で、現物そのものをシステムに取り込む必要はありません。
すぐ導入できるオンプレミス製品(Kurage App Store)
当社が販売している顧客管理向けのオンプレミスの商品です。月額はかかりません。デモを触ってから判断できます。
顧客管理に使えるオープンソース
カタログ2,922件から、顧客管理に当てはまるものを実測値(規模・日本語対応・デモの有無)で並べています。ライセンスの範囲で無料で使えます。
| 名前 | できること | ライセンス | 日本語 | デモ・購入 |
|---|---|---|---|---|
| EspoCRM | EspoCRMを日本語で使うための案内。顧客、商談、活動、メール、ワークフローを自社サーバーで管理できます。日本語UIは公式配布に収録。導入手順、ライセンス、項目追加のカスタマイズ相談まで。 | AGPL-3.0 | 公式配布に日本語UIを収録。 | 触れる |
| Krayin CRM | Krayin CRMを日本語で使うための案内。当社が2,066キーを日本語化して本家へ提出しました。Laravel製で顧客・リード・商談・活動を管理できます。導入手順、ライセンス、カスタマイズ相談まで。 | MIT | Kurageが2,066キーを日本語化し本家へ提出。 | 触れる |
| Kurage AI Meishi Analysis | スマホで名刺を撮るとAIが12項目を読み取って下書きし、人が承認した分だけ台帳へ入る名刺管理システムです。 | MIT | 日本語で開発・提供。 | 触れる / オンプレミス版 |
| Kurage CRM Agent | 日報を投げるとAIが顧客記録の下書きを作り、人が承認した分だけ台帳に入るCRMです。 | MIT | 日本語で開発・提供。 | 触れる / オンプレミス版 |
| Kurage Deal Desk | 顧客のメールアドレスごとに、商談をAIに相談し、記録を残し、かんばんで状況を管理する案件管理・商談管理システムです。 | MIT | 日本語で開発・提供。 | 触れる / オンプレミス版 |
| Twenty | AI向けに設計されたSalesforceのオープンソース代替CRMです。 | AGPL-3.0 | 日本語ファイルあり | 触れる |
導入の進め方
- まず、今やり取りのある取引先だけでよいので、会社名・担当者・連絡先・単価・検収の決まりをベテラン事務員に聞きながら台帳に書き出します。
- 図面を預かっている取引先については、顧客ごとの図番と社内管理番号の対応表を合わせて作ります。量産の立ち上げ時期に慌てて探すことが多いので、落ち着いている時期に手をつけるのが向いています。
- 過去にクレームや不具合があった取引先については、経緯を簡単にでも記録に残し、次に同じ担当者以外が対応しても分かるようにします。
- 事務所でまとめる台帳と、現場で使う図面・検査の記録は別物として扱い、顧客管理のシステムに現場の作業記録まで持ち込まないようにします。
- 一通り台帳ができたら、新規の見積り依頼が来たときにまずそこを確認する習慣をつけ、更新を事務員だけでなく社長や営業担当も使う前提にします。
製造業・町工場の顧客管理、何から手を付けるか一緒に決めます
初日のヒアリングと提案は無料です。いまのやり方(紙・Excel・使用中のサービス)を見せていただければ、残すもの・置き換えるものを仕分けしてお返しします。
無料で相談する OSSカスタマイズ(110,000円〜) 動くデモを先に見るよくあるご質問
生産管理ソフトを使っているが、顧客管理も同じソフトに入れるべきですか?
すでに生産管理ソフトで工程や原価を管理できているなら、そこに顧客情報を無理に統合する必要はありません。生産管理は工程・原価、顧客管理は取引先の情報とやり取りの履歴、と役割を分けて持つほうが、どちらのシステムも身軽に使えます。
取引先とのやり取りはFAXや電話が多く、メールはほとんど使いません。それでも導入する意味がありますか?
やり取りの手段がFAXや電話でも、電話を受けた担当者がその内容を台帳に一行書き残すだけで、次に対応する人が経緯を追えるようになります。システムが変わるかどうかより、記録を誰の頭の中にも置かないことが目的です。
事務員が一人しかおらず、台帳作りの時間が取れません。どこから始めればよいですか?
すべての取引先を一度に整理する必要はありません。現在動いている取引先と、過去にクレームがあった取引先から優先して書き出し、残りは問い合わせが来たタイミングで台帳に追加していく進め方で十分です。
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