不動産会社の商圏分析・出店判断で押さえること
出店判断が勘に頼りがちな理由
新規店舗の候補地選びは、担当者が現地を歩いて人通りや周辺の店舗を見る調査が中心になりがちです。人口や世帯数、年齢構成といった数字を確認する手段がないまま、最終的には経営者や店長の経験と直感で決めることになり、複数の候補地を並べて比較する材料が残りません。
ポスティング・チラシのエリア設定
賃貸や売買の仲介チラシをどの範囲に配るかは、営業エリアの実態を左右します。番地単位で配布範囲を決める際に、徒歩や車で何分の圏内に何世帯あるかが分からないと、同じようなエリアに重複して配ってしまったり、反応が見込める住宅密集エリアを外してしまったりします。
提案資料への人口データの反映
売却や賃貸の提案時に、周辺の人口動向や世帯構成を示せると、オーナーや購入希望者への説明に説得力が増します。しかし多くの会社では、提案書に載せる人口データを毎回手作業で探しており、時間がかかるうえにエリアごとに情報の粒度がばらついてしまいます。
既存店舗・支店との営業エリアの重複
複数店舗を展開している場合、各店舗の営業エリアが重なっていないか、空白のエリアが残っていないかを把握する必要があります。地図上で到達圏を重ねて見る手段がないと、新規出店の候補地が既存店舗の商圏と競合してしまうことに気づきにくくなります。
商圏分析・出店判断のシステムに要る機能
- 住所や候補地から徒歩・車での到達圏(isochrone)を地図上に表示する
- 到達圏内の人口・世帯数・年齢構成を国勢調査メッシュから集計する
- 到達圏内の事業所数を経済センサスデータから集計する
- 複数の候補地を並べて人口・世帯数を比較する
- 既存店舗の商圏と新規候補地の商圏の重複・空白エリアを地図上で確認する
- ポスティング・チラシの配布範囲を地図で区切って出力する
- 商圏分析結果を提案資料用にPDFや画像で出力する
- 競合物件・競合店舗の位置を地図上にプロットする
どこを何で持つか
業界の専用ソフト・既存サービスに任せたほうがよい部分
物件情報のレインズ登録や、SUUMO・athomeなどの不動産ポータルへの掲載は、業界標準のサービスに乗せたままにしておくのが確実です。追客管理や物件資料の作成、契約書類のやり取りも、不動産業務専用のソフトやサービスが対応している範囲なので、商圏分析とは別に運用を続けて問題ありません。
オープンソースや買い切りのシステムで持てる部分
候補地の到達圏ごとに人口・世帯数・年齢構成・事業所数を出す商圏分析の仕組みは、自社で持っておくと、出店判断のたびに外部に依頼する手間や費用がかかりません。候補地の比較や、提案資料用の地図・数字の出力も、同じ仕組みの中でまとめて行えます。
紙・Excelのままでよい部分
現地を実際に歩いて確認した人通りや周辺店舗の様子、競合物件の間取りや条件のメモ、出店候補地を検討した際の会議の記録などは、これまで通りExcelや紙のメモで残しておいて構いません。数字で表せない現場の所感は、商圏分析システムに無理に取り込む必要はありません。
すぐ導入できるオンプレミス製品(Kurage App Store)
当社が販売している商圏分析・出店判断向けのオンプレミスの商品です。月額はかかりません。デモを触ってから判断できます。
商圏分析・出店判断に使えるオープンソース
カタログ2,922件から、商圏分析・出店判断に当てはまるものを実測値(規模・日本語対応・デモの有無)で並べています。ライセンスの範囲で無料で使えます。
| 名前 | できること | ライセンス | 日本語 | デモ・購入 |
|---|---|---|---|---|
| Kurage 商圏分析 | 住所を入れると、徒歩・車N分の到達圏に対して国勢調査500mメッシュの人口・年齢構成・世帯数と経済センサスの事業所数を1画面で出す商圏分析システムです。 | MIT | 日本語で開発・提供。 | 触れる |
| QGIS | 地図上で人口メッシュや到達圏を重ねて商圏分析ができる、デスクトップ型のオープンソースGISです。無料で、日本語UIが公式に含まれます。 | GPL-2.0 | 日本語ファイルが一部のみ | — |
| kepler.gl | kepler.glの使いどころの案内。大量の緯度経度をブラウザ上の地図に重ねて、商圏やエリアの分布を見られます。日本語は一部のみ、ライセンスはMIT。導入手順と、自社データを載せる相談まで。 | MIT | 日本語ファイルが一部のみ | — |
| PostGIS | PostgreSQLで地理空間データを扱う拡張。商圏ポリゴンと人口メッシュの交差面積で按分する、商圏分析の計算基盤に使えます。 | GPL-2.0 | 日本語ファイルあり | — |
| H3 | 地球を六角形のグリッドに分けて位置を索引する仕組み。人口や売上を六角形単位で集計・比較でき、商圏分析やエリアマーケティングの単位に使えます。 | Apache-2.0 | 日本語ファイルなし | — |
| Valhalla | OpenStreetMap用の経路探索エンジン。到達圏(isochrone)APIで「徒歩10分圏」を道路網ベースで描けるため、商圏分析の到達圏計算に使えます。 | MIT | 日本語ファイルなし | — |
導入の進め方
- まず既存店舗の所在地と、現在の営業エリア(チラシ配布範囲や仲介実績のあるエリア)を洗い出します。
- 既存店舗の住所を商圏分析システムに入れて、徒歩・車の到達圏ごとの人口・世帯数・年齢構成を確認し、今のエリア設定が実態に合っているかを見ます。
- 新規出店や営業エリア拡大の候補地が出たら、同じ条件で到達圏の人口データを出し、既存店舗の商圏と比較します。1〜3月の繁忙期前に候補地を固めておくと、春の引っ越しシーズンの営業エリア体制に反映しやすくなります。
- 本部や複数店舗で運用する場合は、各店舗が同じ基準で商圏データを見られるように、候補地の検討結果を共有できる形で残します。
- 出店や営業エリア変更が決まったら、商圏分析で使った人口データをそのまま、オーナーや本部向けの提案資料にも流用します。
不動産会社の商圏分析・出店判断、何から手を付けるか一緒に決めます
初日のヒアリングと提案は無料です。いまのやり方(紙・Excel・使用中のサービス)を見せていただければ、残すもの・置き換えるものを仕分けしてお返しします。
無料で相談する OSSカスタマイズ(110,000円〜) 動くデモを先に見るよくあるご質問
商圏分析に使う人口データはどこから取得するのですか?
国の国勢調査による500メートルメッシュの人口・世帯・年齢構成データや、経済センサスの事業所数データを使います。これらは公開されているデータで、住所や候補地を指定すると、徒歩・車での到達圏ごとに自動で集計して表示できます。
すでに持っている営業エリアの感覚と、データが食い違ったらどうすればいいですか?
現場の感覚とデータは、どちらかが正しいというより補い合う材料として使うのが向いています。データ上は人口が多いのに成約が伸びないエリアがあれば、競合店舗の多さなど別の要因を現場の視点で確認する、という使い方になります。
1店舗だけの会社でも商圏分析システムを持つ意味はありますか?
1店舗でも、現在のチラシ配布範囲や仲介エリアが人口の多い場所と合っているかを確認したり、将来の支店展開や営業エリア拡大を検討する際の比較材料として使えます。提案資料に人口データを添える用途だけでも活用できます。
不動産会社の他の業務
他の業種で商圏分析・出店判断を見る: 介護事業所 美容室・サロン 飲食店 宿泊・ホテル・旅館 建設・工務店 塾・スクール 物流・倉庫 広告代理店・マーケ会社
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