訪問看護ステーションの引き継ぎ・属人化対策で押さえること
退職・異動で消える利用者ごとの配慮
長く担当してきた看護師やサービス提供責任者が辞めると、訪問時の声かけの順番、服薬を嫌がる時の工夫、家族のうち誰に連絡すればよいかといった情報が一緒に失われます。訪問看護記録や指示書には書かれない内容のため、引き継ぎが口頭の数分間で終わってしまい、次に入る担当者が同じ失敗を繰り返すことになります。
オンコール対応の個人依存
夜間・休日の緊急連絡を受けた際、どの利用者にどう対応するかの判断は経験年数の長いスタッフに集まりやすく、当番であっても実際には特定の人に電話が回ることがあります。その人が退職すると、緊急時の判断材料が引き継がれず、残ったスタッフが利用者ごとの背景を知らないまま対応することになります。
新人・非常勤者が入るまでの同行期間
新しく入った看護師やリハビリ職が利用者宅を一人で訪問できるようになるまでは、ベテランの同行が必要です。同行できる人数が限られる事業所では、引き継ぎのための同行日数が延びるほど訪問全体のシフトが窮屈になり、結局は口頭の説明だけで送り出すことになりがちです。
主治医・ケアマネとの関係が個人に残る
主治医や居宅介護支援事業所との連絡は、担当のサービス提供責任者が個人的な関係の中でやり取りしていることが多く、連絡先や相談しやすい時間帯、過去にどう調整してきたかが本人の記憶にとどまります。担当が変わると同じ関係を築き直すまでに時間がかかり、利用者の支援が一時的に滞ることがあります。
引き継ぎ・属人化対策のシステムに要る機能
- 利用者ごとに、担当交代時に必要な家族構成・連絡がつきやすい時間・服薬や処置の個人的な工夫をまとめておける項目
- 退職・異動が決まった時点で、その人が担当する利用者一覧と引き継ぎの進み具合を一覧で確認できる機能
- オンコール当番と、当番ごとに知っておくべき利用者の緊急時情報を結びつけて保管できる機能
- 同行訪問の回数や、一人で訪問できる状態かどうかを利用者・担当者ごとに記録できる機能
- 主治医やケアマネなど外部の連絡先とのやり取りの経緯を、担当者個人ではなく事業所として残せる機能
- 医療情報を扱うため、データを事業所のサーバーや契約したクラウド上に置いたまま社外に出さない構成
- 引き継ぎが完了した項目と未了の項目を区別して、抜け漏れに気づける表示
どこを何で持つか
業界の専用ソフトに任せたほうがよい部分
訪問看護記録やケアプラン、医療保険・介護保険の請求に関わる部分は、業界の専用ソフトが制度改正への対応や記録様式を把握しているため、そのまま使うのが安全です。引き継ぎ・属人化対策として持ちたいのは、専用ソフトには書きにくい「担当者個人が持っている配慮や関係」の部分です。
オープンソースや買い切りのシステムで持てる部分
利用者ごとの個人的な配慮事項、オンコール時の対応メモ、同行訪問の進捗、外部連絡先とのやり取りの経緯といった、専用ソフトの記録欄には収まらない情報は、職務・引継ぎ管理の仕組みで事業所として持っておくと、退職・異動時にそのまま次の担当者へ渡せます。医療情報を扱うため、データを自社の管理下に置ける構成を選ぶことが安心につながります。
紙・Excelのままでよい部分
当番表そのものや、研修の受講記録のような一度決まれば更新頻度の低い一覧は、紙や既存のExcelで管理を続けても支障はありません。無理に仕組みを広げず、退職・異動のたびに失われやすい情報だけを対象にするのが現実的です。
すぐ導入できるオンプレミス製品(Kurage App Store)
当社が販売している引き継ぎ・属人化対策向けのオンプレミスの商品です。月額はかかりません。デモを触ってから判断できます。
引き継ぎ・属人化対策に使えるオープンソース
カタログ2,922件から、引き継ぎ・属人化対策に当てはまるものを実測値(規模・日本語対応・デモの有無)で並べています。ライセンスの範囲で無料で使えます。
| 名前 | できること | ライセンス | 日本語 | デモ・購入 |
|---|---|---|---|---|
| Kurage HR Post | 人ではなく職に記録を紐づけて、業務の属人化を止める職務・目標・引継ぎ管理システムです。 | MIT | 日本語で開発・提供。 | 触れる / オンプレミス版 |
| AFFiNE | 計画、整理、創造を統合した次世代のナレッジベースです。 | MIT(一部は別ライセンス) | 日本語ファイルが一部のみ | — |
| Outline | 成長するチーム向けの高速で美しいナレッジベースです。 | Business Source License | 日本語ファイルが一部のみ | — |
| Raneto | Markdown形式でドキュメントを管理できるセルフホスト型のナレッジベースです。 | MIT | 日本語ファイルが一部のみ | — |
| NoteDiscovery | セルフホスト型のナレッジベース構築ツールです。 | MIT | 日本語ファイルが一部のみ | — |
| laudspeaker | 顧客エンゲージメントと製品オンボーディングのためのオープンソースプラットフォームです。 | AGPL-3.0(一部は別ライセンス) | 日本語ファイルなし | — |
導入の進め方
- 退職・異動が決まったら、その人が担当する利用者を一覧化し、誰からどこまで引き継ぎが必要かを洗い出す
- 利用者ごとに、訪問看護記録には書かれていない個人的な配慮事項(声かけの順番、服薬の工夫、家族のうち連絡する相手)を担当者に書き出してもらう
- サービス提供責任者やベテラン看護師が忙しい退職直前や年度末の異動期を避け、落ち着いている時期に少しずつ記録を進める
- 新人・非常勤者の同行訪問の進捗を記録しながら、一人で訪問できる状態になった利用者から順に引き継ぎを完了とする
- 医療情報を扱うため、導入する仕組みのデータの保管場所(事業所内か、契約したクラウドか)を事前に確認しておく
訪問看護ステーションの引き継ぎ・属人化対策、何から手を付けるか一緒に決めます
初日のヒアリングと提案は無料です。いまのやり方(紙・Excel・使用中のサービス)を見せていただければ、残すもの・置き換えるものを仕分けしてお返しします。
無料で相談する OSSカスタマイズ(110,000円〜) 動くデモを先に見るよくあるご質問
訪問看護記録に書いてあることと、引き継ぎ管理に書くことは何が違うのですか。
訪問看護記録は訪問ごとの状態や処置の経過を残すものですが、引き継ぎ管理で持ちたいのは「次の担当者が困らないための個人的な配慮」です。声をかける順番や家族のうち誰に連絡すればよいかなど、記録の様式には収まらない内容を別に残しておきます。
サービス提供責任者が一人しかいない事業所でも始められますか。
一人しかいない場合こそ、その人が持っている利用者ごとの背景が丸ごと失われるリスクが高いため、優先して記録を残しておく価値があります。退職の予定がなくても、休職や異動の可能性に備えて少しずつ進めておくことをお勧めします。
医療情報を扱うので、外部のクラウドサービスを使うのは不安なのですが。
その場合は、データを自社のサーバーや契約したクラウド環境に置ける買い切り型の仕組みや、オープンソースを自社管理下で動かす構成を選ぶ方法があります。外部のサービスにそのまま預けるのではなく、保管場所を自分たちで選べる構成にしておくと安心です。
訪問看護ステーションの他の業務
他の業種で引き継ぎ・属人化対策を見る: 介護事業所 保育園・幼稚園 美容室・サロン 飲食店 宿泊・ホテル・旅館 建設・工務店 クリニック・医療 不動産会社
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