名古屋でAIシステムの開発をしている小嶋です。「AIを入れたいけれど、補助金は使えるのか」という相談に答えるために、国・愛知県・名古屋市の制度を、2026年10月23日に各制度の公式サイトで一つずつ確かめてまとめました。
AI導入に使える補助金2026(国・愛知県・名古屋市) https://exbridge.jp/ai-hojokin.html#ref=vibeblog-ai-hojokin
確かめてみると、去年までの呼び名のまま探すと見落とす点が2つありました。この記事はその2つと、まとめるときに気をつけたこと、それから当社の補助金ナビが5週間止まっていた話の記録です。
1. IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」になった
いちばん検索されている「IT導入補助金 2026」は、2026年度からデジタル化・AI導入補助金という名前で公募されています。公式サイトの題名も「デジタル化・AI導入補助金2026」で、ページの中でも「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」と書かれています。
2026年10月23日に公式サイトで確かめた、通常枠の中身です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 1/2以内(最低賃金に近い賃金の従業員が30%以上などの条件で2/3以内) |
| 補助額 | 業務プロセス1つ以上で5万〜150万円未満、4つ以上で150万〜450万円 |
| 対象経費 | ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入・活用のコンサルティング、導入設定・研修、保守サポートなど |
| いまの締切 | 6次締切 2026年10月30日(金)17:00 |
| 6次の交付決定 | 2026年12月10日(木)予定 |
申請のしかたにも特徴があります。公式の「申請の流れ」には、事務局に登録されたIT導入支援事業者を選び、事業計画を共同で作って申請すると書かれています。事前に「SECURITY ACTION」の自己宣言も要ります。会社が1社だけで出す補助金ではありません。
もう1つ、2026年10月9日に「第7次公募回以降における制度変更のお知らせ」が出ています。最低賃金の改定に合わせた補助率の引き上げの要件の変更と、1人当たり給与支給総額の向上に係る申請要件の追加です。7次の締切日はまだ公表されていません。
2. ものづくり補助金の新規受付は、別の補助金に移った
「ものづくり補助金」の公式サイトを開くと、2026年10月23日時点で「本補助金の公募は終了しております」と出ます。その下に「新規の受付は『新事業進出・ものづくり商業サービス補助金』まで」とあり、リンク先は中小企業基盤整備機構のサイトです。
新しい補助金は、第1回公募の申請受付が2026年9月30日(水)18時に始まり、締切は10月30日(金)18時(厳守)です。デジタル化・AI導入補助金の6次締切と同じ日で、時刻が1時間違います。
| 枠 | 補助率 | 上限 |
|---|---|---|
| 革新的新製品・サービス枠 | 中小企業者1/2(2/3)、小規模・再生事業者2/3 | 最大2,500万円(賃上げ特例で3,500万円) |
| 新事業進出枠 | 1/2(2/3) | 最大7,000万円(賃上げ特例で9,000万円) |
| グローバル枠 | 海外市場の開拓(輸出)に向けた国内の体制強化 | — |
システム構築費やクラウドサービス利用費も経費に入ります。ただし革新的新製品・サービス枠では「単に機械装置・システム等を導入するにとどまり、新製品・新サービスの開発を伴わないもの」は対象外です。事業計画では、付加価値の年平均成長率+4.0%以上、1人あたり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上、事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上を満たす必要があり、未達なら返還が生じる場合があります。業務の効率化のためにAIを入れたい、という会社にはデジタル化・AI導入補助金のほうが合うことが多いはずです。
3. 愛知県と名古屋市は、2026年度分の受付を終えている
地元の制度も2つ確かめました。どちらも2026年度分は終わっていて、次は2027年度です。
- 愛知県 中小企業デジタル化・DX促進補助金:2026年3月6日〜5月12日に公募(終了)。業務の可視化のコンサルティング、デジタルツールの導入、既存システムの改修や新システムの構築まで対象で、限度額200万円、補助率は中小企業1/2・小規模企業者2/3。「あいち産業DX推進コンソーシアム」への加入が要件です。
- 名古屋市 中小企業デジタル活用支援補助金:2026年4月15日に受付開始、通常枠・賃上げ枠は6月1日16時で受付終了。通常枠100万円・賃上げ枠150万円・ロボット枠500万円(いずれも1/2)。名古屋市新事業支援センターか名古屋商工会議所での相談が申請の要件です。
愛知県のコンサルティング費用が対象に入る点と、名古屋市の事前相談が要件になる点は、来年度に使うなら今のうちに知っておくと準備が変わります。
4. まとめるときに決めたこと
補助金のまとめ記事はたくさんありますが、民間のまとめは公募回の番号や日付が食い違っていることがあります。今回は次の3つを決めて作りました。
- 数字は公式サイトだけから取る。 民間のまとめサイトは「次に何を見るか」の当たりを付けるのに使い、書く数字はすべて事務局・県・市のページで確かめた。
- 確かめた日と出典を、制度ごとに書く。 制度は公募回ごとに変わるので、ページの冒頭と各制度の下に「2026年10月23日確認」と出典のリンクを置いた。
- 確かめられなかったことは、その事情を書く。 名古屋市の補助金の詳しい中身は名古屋産業振興公社の専用サイトにしかなく、10月23日はそのサイトがメンテナンスで止まっていた。そこで2026年9月20日時点の Web Archive の保存版で確かめ、ページにもそう書いた。
愛知県のサイトは機械からのアクセスを止める仕組みが入っていて、普通の取得では読めませんでした。ふだん使っているブラウザと同じ形で開いて本文を読みました。
5. 補助金ナビが5週間止まっていた
まとめの途中で、当社の「Kurage 補助金ナビ」(会社の条件から、いま応募できる補助金を補助率・上限・締切つきで出すシステム)のデータが9月15日のまま止まっていることに気づきました。締切を過ぎた補助金が「いま応募できる」側に残っていました。
原因はデータベースの列でした。9月に名古屋市の制度を手書きで足したとき、表に4列(出典・出典URL・公式ページの更新日・メモ)を足しました。ところが毎日の取り込みのスクリプトは列名を書かずに17個の値を入れていたので、「21列あるのに値が17個」というエラーで毎日失敗していました。失敗したら古いデータを残す作りにしてあったので、画面は何事もなかったように9月15日のまま出続けていました。
直し方は、取り込みの命令に列名を明示するだけでした。取り込み直して、収録は362件から427件、今日応募できるものは339件になりました。「失敗しても画面を空にしない」作りは正しかったのですが、失敗が5週間だれにも見えなかったのは別の問題です。毎日の処理は「0件」で静かに終わっていました。
Kurage 補助金ナビ(いま応募できる補助金を条件で探す) https://kurage.exbridge.jp/khojokin.php/#ref=vibeblog-ai-hojokin
なお、デジタル化・AI導入補助金はデジタル庁の Jグランツに載らないので、補助金ナビには出ません。補助金ナビのトップから、今回のまとめページに案内するようにしました。
6. 補助金の前に決めること
補助金には締切と要件があり、通ったあとも実績報告や効果の報告が続きます。先に「どの業務の、何に時間がかかっているか」を決めておくと、どの制度が合うかも、事業計画も決めやすくなります。
当社はデジタル化・AI導入補助金の「IT導入支援事業者」ではありません。補助金の申請手続きは、認定経営革新等支援機関や商工会議所などの窓口にご相談ください。当社がお手伝いできるのは、その手前の業務の棚卸しと、AI・業務システムの開発・導入、使い続けるところまでです。名古屋市内の会社には、月の顧問契約(AI-IT顧問)の形でもお受けしています。
AI-IT顧問(名古屋) https://exbridge.jp/ai-it-komon.html#ref=vibeblog-ai-hojokin
よくある質問
ものづくり補助金の新規受付はどうなっていますか?
公募は終了しており、新規の受付は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に移っています。
愛知県と名古屋市の補助金は利用できますか?
2026年度分の受付はどちらも終了しています。次は2027年度分となります。
デジタル化・AI導入補助金の締切はいつですか?
6次締切は2026年10月30日(金)17:00です。
