名古屋でAIシステム開発の会社をやっています。チームみらいが10月6日、党の中に「広聴本部」を新設しました。安野貴博党首も「政党として広聴本部を立ち上げました!ブロードリスニング!」と投稿しています。
私も、広聴AI(デジタル民主主義2030のブロードリスニングのOSS)を自社のPCでローカルLLMで動かしたり、国会の会議録から話題ごとに質疑と答弁を集める仕組みを作ったりしています。同じ方向を向く部署ができたのはうれしいことです。そのうえで、紹介動画を見ていちばん気になったのは「集めた声をどう使うか」より手前の、そもそも声は集まるのかでした。
公開されている数字
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| AIインタビュー「子どもとSNS」の告知ポストの表示 | 32,331回(9月8日) |
| 最後まで答えた人/集まった意見 | 219人/549件(10月6日の紹介動画の時点) |
| 表示に対する回答 | 約0.7% |
| 広聴本部の紹介動画の再生 | 6,366回(公開から1日半) |
| チャンネル登録者 | 88,800人 |
| この1か月で募集を始めたAIインタビュー | 5本(1本あたり約10分) |
同じチャンネルの最近の動画は、高市総理にAI家庭教師が250,235回、エンジニアの密着が82,949回、選挙制度の党内議論が48,129回でした。一方で「AIインタビューの限界とは」は20,387回、サンラグ方式の解説は各9,400〜10,400回です。人や対立が見える動画は伸び、民主主義のやり方の説明は1〜2万回で止まります。「声を聞かせてください」という呼びかけ自体が、すでに関心のある人にしか届いていないように見えます。
広聴本部の人たちも動画の中で「自分から答えに来てくださった方の声なので、世論調査のような世の中の縮図ではありません」と言っています。これは正直で、とても良い姿勢です。
呼び込むより、拾いに行く
声を自分たちの場所に呼び込むやり方だと、外の人の声はほとんど入りません。デジタル民主主義2030のSlackも、2025年5月の書き込み6,982件(138人)がピークで、2026年9月は58件(16人)でした(数字の詳細)。
一方で、声はすでにあちこちに出ています。たとえば「子どもとSNS」は国会でも急に増えている話題で、会議録で数えると次のとおりでした。
| 年 | 国会での発言(質疑・答弁など) |
|---|---|
| 2020〜2023年 | 年2〜6件 |
| 2024年 | 22件 |
| 2025年 | 35件 |
| 2026年(7月まで) | 38件 |
チームみらいの峰島侑也議員も、2026年7月10日の衆議院内閣委員会で取り上げています。この一覧は、国会会議録検索システムのAPIから語で集めて、毎日更新するページにしました。
仕組みの作り方
当社が作っている「拾いに行く」仕組みは、次の3段です。どれも公開データだけで動きます。
- 集める:国会会議録検索システムのAPIで、テーマの語を含む発言を毎日集める(いま50本ほどのテーマ)。質問主意書と答弁書も本文から引ける
- 分ける:集めた発言を、質問した議員の会派、政府の答弁、年ごとに分けて並べる。言葉の移り変わり(例:「偽広告」→「SNS型投資詐欺」)も数える
- 深く聞く:割れている論点だけを、AIインタビューや広聴AIで短く深掘りする。広聴AIは手元のPCでローカルLLM(ELYZA-JP-8B・gemma4)でも動く
AIインタビューは、答えた人の考えが深まる良い道具です。だからこそ、入り口として10分を求めるのではなく、「割れているところを深く聞く」役に絞ると、少ない回答でも生きると思います。集めた声が国会でどう扱われたかを追う方法は、ブロードリスニングの後半に書きました。
よくある質問
チームみらいの広聴本部とは何ですか?
2026年9月17日にチームみらいの中にできた部署で、国民の声を広く聴き、政策につなげる入り口を担います。党の職員だけで構成され、AIインタビューで声を集め、賛成・反対の2択ではない第3の案(Plan C)を探すことを目指しています。
AIインタビューには何人が答えていますか?
「子どもとSNS」のAIインタビューでは、10月6日の紹介動画の時点で219人が最後まで答え、549件の意見が集まっていました。9月8日の募集開始から約1か月です。
ブロードリスニングで声を多く集めるには?
自分たちの場所に呼び込むより、すでに声が出ている場所(国会の質疑、パブリックコメント、SNSの投稿など)から集めるほうが数は多くなります。そのうえで、割れている論点だけを深く聞くと、少ない回答でも生きます。
