株式会社エクスブリッジ
インボイス登録を取引先ごとにまとめて照合する——国税庁の全件データ2つを法人番号でつないだら、閉鎖済みなのに登録が残る法人が374社

インボイス登録を取引先ごとにまとめて照合する——国税庁の全件データ2つを法人番号でつないだら、閉鎖済みなのに登録が残る法人が374社

2026年10月07日約6分で読めますインボイス 登録番号 一括 確認

取引先の一覧(会社名・法人番号・登録番号)を貼るだけで、インボイスの登録・取消・失効と登記の閉鎖をまとめて照合するページを作りました。国税庁の2つの全件データを法人番号でつないだ方法、愛知県から始めた理由、個人事業者を扱わない理由、つないで分かった数字を書きます。

名古屋でAIシステム開発の会社をやっています。今日、取引先のインボイス登録と登記の状態をまとめて照合するページを作って公開しました。

「法人番号 検索」は月24.6万回。でも当社には来ない

昨日の建設業許可の期限管理の記事で、候補の1つとして挙げていたのがこれです。「法人番号 検索」は月24.6万回も検索されていますが、ほぼ全員が国税庁の公表サイトへ行きたい人で、当社のページに来る理由がありません。

ただ、国税庁のサイトでは1件ずつしか調べられません。経理の人が困るのは、取引先が100社あるときに、その100社の登録の状態をまとめて見たいときです。1件を調べる道具ではなく、一覧をまとめて照合する道具なら、国税庁のサイトとは役割が分かれます。

国税庁の全件データを2つ、法人番号でつなぐ

国税庁は、どちらも申請なしでダウンロードできる全件データを出しています。

データ 中身 取り方
法人番号公表サイトの全件データ 商号・所在地・法人の種類・登記の閉鎖日と事由 都道府県ごとのCSV。ダウンロード画面のフォームから取る
適格請求書発行事業者公表サイトの全件データ 登録番号・登録日・取消日・失効日・名称 法人分と個人分が分かれている。法人分だけを取る

法人の登録番号は「T」と13桁の法人番号です。なので、登録番号の先頭のTを外せば、法人番号の表にそのままつながります。手順はこうなりました。

  1. 愛知県の法人番号CSVを読み、最新の履歴だけ・検索対象から除外されたものは入れずに、法人の表を作る
  2. インボイスの法人分CSV(5ファイル)を読み、登録番号のTを外した13桁で、法人の表に登録の欄を埋める
  3. 名称・フリガナ・登録番号に索引を張ってSQLiteにまとめる(93MB)

どちらも公共データ利用規約(第1.0版)で、加工して公開できます。国税庁は月に1回ほど全件データを更新するので、こちらは毎日更新日だけを見て、変わったときだけ取り直しています。

なぜ愛知県だけか

全国の法人番号は数百万件あり、レンタルサーバーに置く1本のSQLiteとしては重くなります。まず地元の愛知県で、取り込みから照合までが実用の速さで動くかを確かめることにしました。愛知県だけで286,424社、データは93MBです。

都道府県を足すのは同じ手順の繰り返しなので、導入するときに必要な県を足します。

個人事業者を扱わない理由

インボイスの公表データには個人事業者も入っています。ただ国税庁は、個人事業者の情報を本人の同意なく公表すると個人情報保護法に抵触するおそれがある、と明記しています。だれでも見られるページで個人事業者の名前と状態を並べるのは、まさにそれに当たります。なので個人分のデータは取り込んでいません。

つないでみて分かった数字

区分 件数
愛知県の法人 286,424社
うちインボイス登録あり 147,272社(約51%)
株式会社 158,121社(登録あり 99,819社)
登記が閉鎖された法人 44,311社
インボイスが失効した法人 6,447社
インボイスが取り消された法人 46社
閉鎖済みなのに登録が有効なまま 374社

最後の374社が、2つのデータをつないで初めて見えたものです。登録番号だけを確かめていると「有効」と出ますが、相手の会社は清算や合併でもう閉じています。照合の画面では、登記の閉鎖→インボイスの取消→失効→未登録→登録あり、の順に判定し、どれかに引っかかった取引先を上に出すようにしました。

もう1つ、会社名で照合するときの落とし穴も数えました。閉鎖されていない法人のうち、ほかと同じ名前のものが38,542社あります。多いのは「神明社」497、「八幡社」244と神社が並びますが、会社でもよくある名前は同名が出ます。同名の候補は所在地を並べて見分けてもらい、いちばん確かなのは登録番号をそのまま貼ること、と画面に書きました。

自社に置く形と、毎月の照合

PHPとSQLiteだけで動くので、照合の一式をレンタルサーバーに置けます。入れた一覧は照合のためだけに使い、保存しません。

経理でいちばん役に立つのは、取引先マスタを国税庁のデータが更新されるたびに照合し、取消・失効や商号・所在地の変更があった取引先だけを知らせる形だと思います。会計ソフトや販売管理の書き出し方が会社ごとに違うので、そこは導入のときに合わせて作ります。

よくある質問

インボイスの登録番号はどこで確認できますか?

国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで、登録番号を入れて1件ずつ確認できます。Kurage 取引先チェックでは、取引先の一覧を貼ってまとめて確認できます(愛知県に本店のある法人)。

取引先のインボイスが取消・失効になると、どうなりますか?

取消や失効の後に受け取った請求書は、適格請求書として仕入税額控除に使えません。取引先の登録の状態は、定期的に確かめておくと安全です。

個人事業者の取引先も確認できますか?

扱いません。個人事業者の登録情報は、国税庁の公表サイトで登録番号から確認してください。

反社チェックにも使えますか?

使えません。反社会的勢力かどうかは国の公開データに含まれないため、判定しません。

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